こんにちは、ヤスです。
最近読み終えた本の中にたいへん面白いものがあったのでそれを紹介したいと思います。
タイトルの言葉や大阪万博のモニュメント太陽の塔などで有名な岡本太郎さんの著作、『今日の芸術』です。
今日(こんにち)の芸術であって、今日(きょう)の芸術ではありません。
それではNHKのお昼のお料理番組みたいになっちゃいますので。あしからず。
ちなみに僕は中身を読むまで「きょう」の方だと勘違いしてました笑
内容は昨今の芸術(主に日本の)について批判し、現代における芸術とは斯くあるべきでありうんぬんかんぬん…と説いたものです。
1950年代に書かれたものを再出版した本なのですが、いま読んでもまさに現代日本にあてはまる大変鋭い考察だと感じます。
岡本太郎さんといえば奇抜ともとれる抽象的な作品や、この本の帯に書いてある「芸術はきれいであってはならない」など人をけむに巻いたようなその言動が注目されがちですが、この本では芸術史を当時の歴史的背景と照らし合わせて分析してゆくことによって導き出される現代芸術の在り方について述べられていて、それを読めば彼の作品や言動は非常に理論的な枠組みの上でなされていることが分かります。
理論的に分析した結果が、「本能に従って適当に描け」なのだから一見すると「?」かもしれないですが、この本を読めばなるほど納得です。
楽器を演奏する者としても考えさせられる大変素晴らしい本でした。
何より読みやすくておすすめです。興味のある方はぜひ!
ヤスでしたー。